野間宏の会のご案内

設立趣旨

 本会は、全体小説を志向した戦後文学の旗手・野間宏(1915-91年)の仕事を若い世代に継承し、未来へ向けて、文学・社会・政治・科学すべてにおいて新たな創造を志すことを企図して、結成されたものである。

会の概要
結成 1993年5月
会員 約170名
代表幹事 黒井千次
幹事 大槻慎二、尾末奎司、加藤亮三、川崎賢子、紅野謙介、高橋 至、髙村 薫、寺西直裕、富岡幸一郎、西川長夫、ギブソン松井佳子、山下 実、藤原良雄
定例行事 毎年5月最終土曜日の集会
年一回の「会報」発行
年会費 3,000円
事務局 藤原書店内

これまでの集会

 2010年末現在で18回を数え、詩人、作家、俳優、分子生物学者、環境学者や国内外の野間研究者など、野間宏の活動の幅広さを示すように、多分野から活発な発言がされている。また、野間宏作品の朗読や、詩の歌唱も毎年行われている。

1993年
第1
「明日の地球を考える――野間宏の言い遺したこと」張偉、ギブソン松井佳子、山田國廣、黒井千次、安岡章太郎
1994年
第2回
「野間宏のコスモロジー」中村真一郎、小田実、三國連太郎、中村桂子、富岡幸一郎、夏剛、紅野謙介
1995年
第3回
「戦後50年と野間宏」張石、J・レイサイド、中本信幸、奥泉光、三枝和子、沖浦和光、佐木隆三
1996年
第4回
「文学の力――野間宏の創造と想像力」川崎賢子、塚原史、菅野昭正、高村薫、針生一郎、荒川修作
1997年
第5回
「野間宏における詩と真実」ブレット・ド・バリー、尾末奎司、辻井喬、長谷川龍生
1998年
第6回
「『戦後文学』と野間宏」山下実、道浦母都子、小田実、白石かずこ
1999年
第7回
田中泰賢、高田宏、J・レイサイド、富岡幸一郎、中薗英助
2000年
第8回
「野間宏とアジア」辺見庸、庭山英雄、島田雅彦、高橋源一郎
2001年
第9回
「戦中日記と野間宏」針生一郎、尾末奎司、町田康+富岡幸一郎、中沢けい
2002年
第10回
「戦争と野間宏」西川長夫、藤沢周+川村湊、津島祐子
2003年
第11回
「現代文明とは何か」針生一郎、古井由吉、松井孝典
2004年
第12回
「野間宏の現代性」石井洋二郎、紅野謙介、高史明
2005年
第13回
「サルトルと野間宏――サルトル生誕百年、野間宏生誕九〇年」澤田直、海老坂武、高銀+辻井喬(司会・黒井千次)
2006年
第14回
「『戦後文学』を問う〈シンポジウム〉」奥泉光、川崎賢子、宮内勝典、金石範、針生一郎(司会・富岡幸一郎)
2007年
第15回
「生命の科学と野間宏」中村文則+富岡幸一郎、岡田晴恵、中村桂子、大沢文夫
2008年
第16回
「世界性と地域性」モブ・ノリオ、リービ英雄+富岡幸一郎、亀山郁夫
2009年
第17回
「文学よ、どこへゆく?――世界文学と日本文学」奥泉光、姜信子、佐伯一麦、塚原史(司会・富岡幸一郎)
2010年
第18回
「戦後文学と現代――編集者・寺田博氏を偲ぶ――」黒井千次、小林恭二、金時鐘、山下実、紅野謙介(司会・富岡幸一郎)
2011年
第19回
「大震災・原発と野間宏」井野博満、熊谷達也、浅尾大輔、髙村 薫

設立趣旨

 前年の講演会の記録の他、「野間宏没十年」「野間宏青春時代の日記刊行」等の特集で各界からの原稿が掲載される。また連載、野間宏関連文献の紹介、書評等がある。

主な特集 「野間宏没十年に想う」 大庭みな子、高銀他(2001年)
「『作家の戦中日記』を読んで」 黒井千次、石田健夫他(2002年)
主な連載 「野間宏の富士正晴宛書簡」尾末奎司
「『関西・しのぶ集い』報告」日野範之
会報第11号(2004年)への寄稿 「野間宏の『未成年』批評」尾末奎司
会報第12号(2005年)への寄稿 「野間宏作『タガメ男』論」山下実